[鉄道]淡路島線妄想地理

[淡路島線] Ⅳ-Ⅱ 特急「おのころ」の運行区間について

淡路島線Ⅳシリーズ、今回は特急「おのころ」について。
今回はその中でも、運行区間について、なぜ新大阪駅発着なのか、そして途中停車駅が4駅となった理由について取り上げる。

最初に前提知識について、特急「おのころ」の情報について整理する。
当種別は淡路島線の特急であり、新大阪駅 – 徳島駅間を基本的な運行区間としている。

「ぼくの色眼鏡哲学」管理人のながたるみおです。
ご訪問いただきありがとうございます。
今回は特急「おのころ」の停車駅に関する情報をまとめていきます。

なお、思考整理や画像生成の補助としてAIを活用することがあります。

新大阪駅発着の理由

新大阪駅発着とした理由の結論としては、広域需要の確保と、駅の線路容量の2点である。

この結論に至った考察について、候補駅とともに考察していく。
そして候補は5駅あった。

・神戸駅発着案
・三ノ宮駅発着案
・大阪駅発着案
新大阪駅発着案
・京都駅発着案

では各駅案を分析して、可否を決めていく。

神戸駅案

神戸駅を発着駅とする場合、メリットとしてJR神戸線の線路容量の問題をクリアできること、また発着列車が設定しやすいという2点が挙げられる。

JR神戸線・JR京都線は長大な複々線区間を有しているものの、その中に新快速などの普通列車に加え、貨物列車や他路線からの特急を中心とした直通列車が多数設定されている。つまり現状でも列車増発が厳しい状態にある。
このため神戸駅を発着駅とすることで、特急「おのころ」のJR神戸線内の走行距離が短くできることで、線路容量の問題を克服しやすくなる

また神戸駅は、JR神戸線内でも珍しい折り返し設備を有する駅であるため、この面でも都合が良い。

しかしデメリットも大きい。
特に神戸駅発着の場合、大阪はおろか神戸の繁華街にも直接乗り入れることができない

神戸駅は「神戸」の名を冠しているものの、神戸の中心部は2駅隣の三ノ宮駅周辺であり、神戸駅周辺はかつての中心部であったものの、今日の最繁華街とは言えない
そのため中心部に直接乗り入れられない当案は、利用客的にも新規開業のニュースの見栄え的にも少し見劣りする。

このことから神戸駅発着駅案は見送りとなった。

三ノ宮駅案

三ノ宮駅を発着駅とするメリットは、線路容量の問題確実な需要が見込まれることである。

線路容量に関しては、神戸駅の2駅隣であるため、神戸駅同様強みになる。
更に今日において淡路島、徳島方面への高速バスの多数が三宮地区から発着しており、県内一位、JR西管内でも4位の乗降客数を誇る三ノ宮駅であることから1、その需要は十分見込まれる。

しかし三ノ宮駅には折返し設備を持たないため、物理的に当駅での折り返し運用はできない。

このことから三ノ宮駅案も見送りとなった。

大阪駅案

大阪駅を発着駅とするメリットは、折り返し運用の実績の多さ大阪駅に乗り入れられることである。

大阪駅は今日のダイヤにおいて普通列車に加え、「サンダーバード」や「スーパーはくと」などの優等列車も発着駅として設定されている。このことから三ノ宮駅案のような障壁はない
また大阪駅は西日本最大の繁華街である梅田地区に位置していることから、需要を最大限見込むことができる

一方で、大阪駅は多数の列車が発着している駅であるため駅の線路容量、つまり駅自体に新規で折り返し列車を設定する余裕がないと考えられる。
折り返し列車を設定すると、留置線等の折り返し設備を有していない場合、そのホームと線路を一定時間占有することになる。
大阪駅は多数の折り返し列車に加え京阪神間を通しで運行される列車も多いため、新設のホームと線路を占有する列車を設定することは厳しいと考えられる。

またもっと深刻な問題として、新幹線に直接接続することができないことが挙げられる。
淡路島線は関西圏と四国の最短経路になることが期待されているが、これは新幹線経由での中京圏、首都圏から四国への最短経路となる需要も見込まれる。
しかし大阪駅案の場合、普通列車に乗り換えて新大阪駅に向かう、もしくは三ノ宮駅で地下鉄乗り換えで新神戸駅に向かうしかなくなる。
一般的には所要時間が多少短縮されるぐらいなら、乗り換えなしを望む傾向にある。そのため可能な限り、乗り換え回数の少なくなるよう新幹線駅に直接乗り入れできるようにするほうが望ましい。

このことから大阪駅案も見送りとした。

新大阪駅案

新大阪駅を発着駅とするメリットは、これまでのデメリットを克服できる点にある。

神戸駅案の最繁華街へのダイレクトアクセス、三ノ宮駅案の折返し不可、大阪駅案の新幹線への直接接続。いずれも現状のダイヤで克服されている。
折返し運用に関しては、特急「こうのとり」が新大阪駅を発着駅としていることから、実績もある。

ただしこの折返し運用については、少し難がある
というのも新大阪駅には折返し設備が設置されていない。このため前述の「こうのとり」は新大阪駅より約30㎞京都方に位置している向日町駅近くの運転所まで回送運転がなされている。
「おのころ」は車両設計が特別であることから車両整備費、製造費が他と比べ高額であり、毎時間往復約60㎞の回送運転を行うのはあまりにも無駄が多いと言わざるを得ない。

とはいえ上述の3駅案と比べると懸念点をクリアできていることから、一旦保留とした。

京都駅案

京都駅を発着駅とするメリットは新大阪駅案同様に、新幹線に直接接続することができることである。
また京都駅からは三宮、梅田ほどではないものの、淡路島・徳島方面への高速バスも発着していることから、新大阪駅案よりもより幅広い需要に応えることができる

しかしデメリットも大きい。
京都駅まで「おのころ」を延長しても新大阪駅で既に新幹線と接続しており、より強みがあるとは言いにくい
また京都駅発着の高速バスが設定されているものの、その需要の絶対数は特急を延長運転するほどの水準に達しているのかは疑問に残る

そして何よりの問題が、線路容量の問題が挙げられる。
昨今、京都駅の機能集中を緩和する方向の動きがみられること、またそもそも大阪駅 – 京都駅間は神戸方面からの通し運転列車に加え、「サンダーバード」などの北陸方面、「はるか」や「くろしお」などの和歌山方面の特急など、JR京都線はJR神戸線よりも線路容量に厳しいことが挙げられる。
このことから新大阪駅以北に新設の特急を走らせる余裕は小さいと言わざるを得ない。

このことから京都駅案は見送りとなった。

そのほかの案

上述の5案以外にも、以下の案も検討した。

・草津駅(JR京都線→琵琶湖線)
・野洲駅(JR京都線→琵琶湖線)
・京橋駅(JR東西線)
・放出駅(JR東西線→学研都市線)
・奈良駅(JR東西線・学研都市線→おおさか東線→大和路線)

しかしいずれも運行距離が延びることから余剰編成が必要になるが、コストに対する需要が見込まれるとは考えにくい。
また後者3案は新幹線への直接接続もできないこと、JR東西線内に待避設備がないことから、利便性でも運用面でも不利になる。
このことから以上の案は見送りとなった。

最終決定・新大阪駅案

以上のことから新大阪駅案を採択する。
しかし折返し運用に関して問題が残っている

これを克服するために、新大阪駅周辺で渡り線の工事を2箇所で行い、吹田総合車両所への乗り入れを可能にし、ここで折返し運用を可能にする。
この詳細については、以下の記事を参照されたい。

工事予定👷

途中停車駅について

列車の運行区間を新大阪駅 – 徳島駅間と確定したため、この途中停車駅を検討していく。

最終結論として大阪駅三ノ宮駅洲本駅鳴門駅の4駅となったが、今回検討した駅は以下のである。

大阪駅
・尼崎駅
三ノ宮駅
・神戸駅
・須磨駅
・あわじ東浦駅
・津名駅
洲本駅
・三原おのころ駅
・福良駅
鳴門駅
・池谷駅
・勝瑞駅

ではこれらの候補駅を以下より検討していく。

大阪駅

大阪駅は考察するまでもなく、停車駅とした。

これは前述にもあるように梅田にある、西日本で一番乗降客数の多い駅であるため、ここを通過する理由は以前の「はるか」のような2、よっぽど特別なことがない限り考えられない。

尼崎駅

尼崎駅は、通過扱いとした。

当駅はJR神戸線とJR宝塚線の分岐駅となっており、普通列車はすべて、特急は「こうのとり」の全列車が停車している。
だが「こうのとり」が全列車停車するのは、当駅以北はJR宝塚線に乗り入れることから神戸方面との乗換需要を満たすために停車していると考えられる。
しかし当駅は大阪駅より2駅隣であり、かつJR宝塚線方面からの需要は速達性を犠牲にしてまで大きいとは考えにくい

このことから、尼崎駅は通過とする。

三ノ宮駅

三ノ宮駅は、停車とした。

当駅は普通列車、特急列車はすべて停車する3
当駅周辺は県内随一の中心部であり、多くの乗降客数も見込まれる。

このことから需要を満たす必然性が認められ、当駅は停車とする。

神戸駅

神戸駅は、通過扱いとした。

当駅は普通列車はすべて、特急は「はまかぜ」の全列車と「スーパーはくと」の一部が停車する。
これは前述にあるように、三ノ宮駅周辺が神戸の中心部であり、かつ三ノ宮駅の2駅隣であることから「スーパーはくと」は速達性を優先したため大半の列車を通過扱いとしたと考えられる。
「はまかぜ」と「スーパーはくと」の違いについては、以下の展開メニューを参照されたい。

神戸駅の扱いから、その特急列車が速達性を重視しているのか、利便性を重視しているのかが判明できると考えられる。

まず2特急種別について確認しておく。
はまかぜ」は大阪駅から播但線を経由し、豊岡駅や城崎温泉駅、最大で鳥取駅まで3往復/日、運行されている特急である。
一方「スーパーはくと」は大阪駅・京都駅から智頭急行線を経由し、鳥取駅や倉吉駅まで8往復/日、運行されている特急である。
そして神戸駅の停車本数は、「はまかぜ」が3往復6本すべて、「スーパーはくと」が下り2本のみ停車する。つまり神戸駅の特急停車本数の絶対数自体はそこまで多くない

ここで「はまかぜ」と「スーパーはくと」の違いについて、本稿の本題から外れるものの取り上げたい。

どちらも大阪駅を発着駅としている特急であり、鳥取駅まで行く列車という特徴が共通している。
しかし経由路線、そして途中停車駅の数が大きく異なる。
経由路線は異なるため単純比較ができないものの、途中停車駅数の最大値が「はまかぜ」が19駅である一方、「スーパーはくと」は11駅となっており、経路の異なる姫路駅 – 鳥取駅間に限定すれば、13駅と5駅と更にその差は大きくなる4
そして所要時間は「はまかぜ」が約4時間強、「スーパーはくと」が約2時間半程度となっている5
また走行距離も大阪駅 – 鳥取駅間で「はまかぜ」は約265㎞、「スーパーはくと」は約211㎞となっている。

これらのことから2つの特急の重視するポイントが異なることが読み取れる。

はまかぜ:速達性よりも途中駅の利便性を重視

スーパーはくと:速達性を重視

「スーパーはくと」が鳥取 – 大阪・京都間を最速で結ぶことに重きを置いている。故に停車駅が少なかったり、走行距離も短くなっている。
一方「はまかぜ」は出自が播但線内の快速であることから鳥取 – 京阪圏間の往来よりも、播但線沿線のための列車(播但線沿線の各駅 – 阪神圏の往来利便性向上)という性格が強い。
これは大阪駅 – 鳥取駅間を直通する列車は1往復/日となっていることや、大阪からの列車には代替手段があることからも読み取れる6

ゆえに「はまかぜ」は神戸駅にも全列車停車し、細やかな需要を拾う
一方「スーパーはくと」は夜の下り2本のみが神戸駅や西明石駅、加古川駅にも停車することから、阪神圏から鳥取への速達需要に加え、帰宅ラッシュの補完も担う列車が停車していると考えられる7。つまり神戸駅は速達性を重視する特急が停車する必然性は薄いと考えられ、当駅に停車するのは途中沿線駅の利便性をより重視したい場合のみだと考えられる。

以上が、神戸駅の扱いから見る特急の重要視しているポイントについてである。

以上の理由から、「おのころ」は途中沿線駅の利便性よりも速達性を重視するがゆえに、当駅は通過扱いとする。

須磨駅

須磨駅は、通過扱いとした。

当駅は淡路島線とJR神戸線の分岐駅となるため、検討対象とした。
しかし新快速は通過扱いとなっていることから、尼崎駅のように特急を停車扱いとしても利便性は大きく向上しないと考えられる。

このことから、当駅は通過扱いとする。

あわじ東浦駅

あわじ東浦駅は、通過扱いとした。

当駅は淡路市内の交通の結節点として玄関駅となることが期待されるものの、三ノ宮駅から淡海路快速でも30分程度であり、当駅を停車扱いとすると特急と淡海路快速の差が小さくなる。
つまり淡海路快速でも十分利便性を確保できていると考えられる。

このことから、当駅は通過扱いとする。

津名駅

津名駅は、通過扱いとした。

当駅は淡路市の中心部に程近い駅であるものの、あわじ東浦駅同様に淡海路快速との差がそこまで大きくないため、特急停車駅として設定しても利便性がそこまで大きく変わらない

このことから、当駅は通過扱いとする。

洲本駅

洲本駅は、停車とした。

当駅は淡路島線内で一番需要が見込まれる駅である。これは現状、洲本発着の高速バスが多数設定されているためである。
また当駅が淡路島線内の中点近くに位置していることから、緩急接続をするうえで最も利便性向上に寄与できる。

このことから、当駅は停車とする。

三原おのころ駅

三原おのころ駅は、通過扱いとした。

当駅は南あわじ市の中心部に近く、また南あわじ市内交通の集積地であることから、市内では最も需要が見込まれる駅である。
しかし阪神圏との往来には、洲本駅乗り換えでも利便性が大きく損なわれるわけではなく、また淡海路快速でも十分利便性は確保できる
また徳島方面も同様である。
更に洲本駅から3駅であることから、停車駅間隔も詰まる。

このことから、当駅は通過扱いとする。

福良駅

福良駅は、通過扱いとした。

当駅は旧南淡町の中心地区である福良地区に位置している。そのため一定数の需要が見込まれるものの、三原おのころ駅よりも需要は小さいと想定される。

このことから、当駅は通過扱いとする。

鳴門駅

鳴門駅は、停車とした。

当駅は鳴門市の中心駅であり、かつ淡路島線の終端駅。つまりJR西日本とJR四国の境界駅となる。
このため乗務員の交代やダイヤ乱れなどの非常時対応のため、運用上の必然性がある。
また鳴門は観光客も多いことから、相応の需要も見込まれる

このことから、当駅は停車とする。

池谷駅

池谷駅は、通過扱いとした。

当駅は鳴門線と高徳線の分岐駅であり、一部の特急「うずしお」の停車駅となっている。
しかし鳴門駅とそこまで距離がなく、鳴門駅での乗換で大阪方面との往来に問題ないと考えられる。
鳴門線、高徳線がともに単線であるため行き違いのために停車することも考えたが、広域交通を担う当特急で、列車によって停車駅が変わるのは混乱の要因となる。

このことから、当駅は通過扱いとした。

勝瑞駅

勝瑞しょうずい駅は、通過扱いとする。

当駅は県内2番目の利用者数を誇り8、「うずしお」の一部列車が停車している。
しかし大阪方面との利便性は池谷駅同様に停車せずとも十分であり、かつ速達性を重視する特急であり、停車駅が列車によって変わることから利用者目線での混乱の要因となる。

このことから、当駅は通過扱いとする。

以上となる。

特急「おのころ」の特徴として、淡路島・徳島 – 阪神圏間の速達需要を満たすことが最大目的となっている。
また淡路島・徳島と新幹線網とのアクセス路線も担う。

この特徴は昨今、話題となっている四国新幹線とも関係している。
その詳細については、以下の記事を参照されたい。

また以上の内容を踏まえ、今一度運賃や所要時間等を参照されたい方は、以下のリンクより飛んでいただれば。

今回の記事内容に対して、ご意見、ご質問等あれば忌憚なくコメントをいただけると幸いです。

また次回もお待ちしております。お疲れ様でした。

  1. 西日本旅客鉄道(2025)「データで見るJR西日本2025」88頁 < https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/ >(2026/7/1参照) ↩︎
  2. 「はるか」や「くろしお」などは、新大阪駅より梅田貨物線を経由し大阪環状線に乗り入れている。その途中、移設前の線路(今日の大阪駅の21 – 24番線にあたる)を経由していた。
    当時は大阪駅にホームがなかったため、大阪駅には停車していなかった。 ↩︎
  3. 「サンライズ瀬戸・出雲」は除く。 ↩︎
  4. 大阪駅 – 鳥取駅間を直通する列車で比較。
    具体的には「はまかぜ」1号と「スーパーはくと」15号で比較した。 ↩︎
  5. 「はまかぜ」1号と「スーパーはくと」15号で比較。 ↩︎
  6. 大阪・神戸 – 鳥取間は「スーパーはくと」、大阪・神戸 – 但馬地域(豊岡・城崎温泉)間は「こうのとり」が別路線経由でそれぞれ運行されており、どちらも「はまかぜ」より距離、所要時間ともに有利となっている。 ↩︎
  7. 執筆時(2026/7/1時点)のダイヤにおいて、これら3駅に停車する「スーパーはくと」は13号と15号であり、それぞれ大阪駅を19時過ぎ、20時半ごろに出発する列車となっている。
    そしてこれら3駅を通過扱いとする11号は大阪駅を17時過ぎに出発することから終業後の帰宅需要には少し早い。 ↩︎
  8. 四国旅客鉄道「輸送状況データ一覧」< https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/disclose/ >(2026/7/1参照) ↩︎

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