独り言生活

結婚で名字が変わったら手続き地獄? 実際にやってみると意外と楽だった

2026年10月、私ごとだが入籍した。

私は結婚する前から、個人的に気になっていたことがある。
結婚って、名字が変わる側の手続きがめちゃくちゃ面倒なんじゃない?

婚姻届を出したあとマイナンバーカードを変更して、銀行、クレジットカード、証券会社、保険会社、携帯電話会社にも連絡する。
同じ「名字が変わりました」という話を、一体何度繰り返さなければならないのだろう。

でも今はマイナンバーカードがある。
市役所が新しい名字を知っているのであれば、その情報を必要な行政機関や金融機関にも伝えてくれればよいのではないか。
そんな疑問から、結婚前に色々と調べていた。

そして今回、実際に婚姻届を提出し、その後の手続きも進めてみた。
先に結論から言えば、想像していたよりかなり楽だった。

私は名字を変えない側なので、改姓に伴うマイナンバーカード等の変更を実際に行ったのは相手である。
ただ一緒に婚姻届を提出し、その後の手続きも横で見ていたので、今回は制度上どうなっているのかという話だけでなく、私たちが実際にどのような流れで手続きを行ったのかも併せて紹介していく。

なお、本稿の制度に関する記述は2026年10月時点の情報を基にしている。
今後の法改正や各事業者のサービス変更等によって取扱いが変わる可能性があるため、実際に手続きを行う際には、各行政機関・事業者の最新情報も確認していただきたい。

「ぼくの色眼鏡哲学」管理人のながたるみおです。
ご訪問いただきありがとうございます。
今回は結婚による名義変更の手続きについて考えていきます。

なお、思考整理や画像生成の補助としてAIを活用することがあります。

実際に婚姻届を出してみた

まずは実体験から紹介したい。
事前に想像していたのは、婚姻届を提出したあと、住民票への反映を待って、また別の日にマイナンバーカードを変更しに行くといった流れだった。

しかし、少なくとも私たちの場合は全く違った。

婚姻届からマイナンバーカードの変更まで1時間弱

役所に着いたのは9時ごろだった。

まず婚姻届を提出し、その後、役所内で記念撮影。
それから名字を変更する側のマイナンバーカードの手続きを行った。
そして役所を出たのは10時前だった。
つまり、婚姻届の提出からマイナンバーカードの氏名変更まで含めて1時間弱である。

しかも、マイナンバーカードの変更について事前に別の届出をしておく必要もなかった。
婚姻届とマイナンバーカードを持って役所へ行き、その場で一連の手続きを進めることができた。

もちろん、所要時間や同日に処理できる範囲は自治体や提出時間、窓口の混雑状況等によって異なるだろう。
それでも、「婚姻届を出したら後日もう一度マイナンバーカードのためだけに役所へ行かなければならない」と思っていた私にとっては、拍子抜けするほど簡単だった。

その後の名義変更も大半はネットで終わった

では、役所を出たあとに銀行やその他の契約先を1軒ずつ回ったのか。
今回私たちが手続きを行った範囲では、ほとんどがインターネット上で完結した。

各社のアプリやWebサイトから氏名変更を行えるものが多く、「本人確認書類を持って窓口へ」という手続きは想像していたほど多くなかった。

ただし例外もあった。
今回利用している金融機関の中では、みずほ銀行の氏名変更は店舗での手続きが必要だった。
実際、みずほ銀行も通常の名義変更について、郵送・インターネット・電話では手続きできず、店舗で行うよう案内している1。
つまり、結婚したら銀行を何軒も回らなければならないというほどではない一方、全てがオンライン化されているわけでもない。
この辺りは金融機関や契約内容ごとの差がまだ大きいようである。

なぜ思っていたより楽なのか

実際にやってみると案外簡単だった。
では、なぜ昔イメージしていたような名義変更地獄にならなかったのだろう。

調べてみると、マイナンバーを中心とした行政機関同士の情報連携だけでなく、民間事業者に最新の氏名等を提供するための仕組みまで、すでに整備されていた。

マイナンバーそのものは変わらない

まず、婚姻によって名字が変わっても、12桁のマイナンバーそのものは変わらない。

マイナンバーは原則として生涯同じ番号を使用する仕組みであり、結婚や引越しによって新しい番号を取り直すわけではない2。
変わるのは、その番号に紐付いている氏名である。

一方、マイナンバーカードについては手続きが必要になる。
カードには氏名が記載されており、署名用電子証明書にも氏名・住所・生年月日・性別の基本4情報が含まれている。氏名や住所等が変わると署名用電子証明書にも影響するため、カード側の変更手続きが必要になる3。
ここは完全な自動化とはいかない。

とはいえ、今回の私たちのように婚姻届と同じ来庁で処理できるのであれば、マイナンバーカードの更新のように一から申請し直して、後日また受け取りに行くというほど大掛かりなものでもなかった。

年金制度では自動化されている

行政側では、さらに自動化が進んでいるものもある。

代表例が年金である。
日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合、氏名変更届は原則として不要となっている4。

つまり、少なくとも年金では、本人が同じ氏名変更を改めて届け出なくても、マイナンバーを利用して処理できる仕組みがすでに動いているのである。
「役所が違えば、本人が毎回同じ変更を申告しなければならない」という時代からは、少しずつ変わってきているようだ。

金融機関にも最新の氏名を取得する仕組みがある

さらに興味深かったのが金融機関である。

金融機関等が利用できる仕組みとして、公的個人認証サービス(JPKI)がある5。
当該サービスには本人の同意を前提に、このサービスに対応する金融機関等が氏名、住所、生年月日、性別の最新4情報をオンラインで取得できる仕組みもある6。
つまり婚姻届を出す→住民票の氏名が変わる→マイナンバーカード等の必要な手続きを行う→同意済みの事業者が最新情報を取得する、という仕組みがすでに存在しているのである。

ただしこの仕組みが動いているとはいえ、金融機関一律で導入されているわけではないので、放置するのではなく、確認は必須であろう。

それでも個別対応が必要なもの

マイナンバーを利用した情報連携が進んでいる一方で、婚姻届だけでは終わらない手続きも当然残っている。

ただ、それらについても「紙を抱えて1日中窓口を回る」というより、オンラインで済ませられるものが増えている。
何でも自動化されているわけではないが、手続きそのものは軽くなっているという印象である。

パスポートは新しい旅券の発給が必要になる

例えばパスポートである。

結婚によって戸籍上の姓が変わった場合、新規のパスポート、または変更前のパスポートと有効期間満了日が同じ「残存有効期間同一旅券」を申請する必要がある7。

これは銀行口座のデータ上の氏名を書き換えるのとは少し事情が違う。
パスポートそのものが海外で本人確認に使用される渡航文書であり、旅券には氏名等の情報が記録されている。
そのため、国内の住民票データだけを書き換えて終わりというわけにはいかず、新しい氏名が記載された旅券を発給する必要がある。

もっとも、現在は結婚等による氏名変更を伴うパスポート申請も、マイナポータルからオンラインで行うことができる8。

別途手続きは必要だが、昔と同じ方法しかないわけでもないのである。

車検証と保険は別途確認が必要

自動車についても別途手続きが残る。

車検証に関しては所有者の氏名等に変更が生じた場合、原則として15日以内に変更登録を行うことが定められている。
一方で今日ではオンラインで申請でき、手続きの一部ではマイナンバーカードも利用されている9。
つまり、ここでもマイナンバーカードはすでに利用されている。

一方で自賠責保険や任意保険は車検証とは別の契約であるため、契約している保険会社の案内に従って必要な変更を確認することになる。
特に任意保険には、契約者、記名被保険者、車両所有者など複数の人物情報が存在する。

そのため、単純に「住民票の名前が変わったから、契約内の名前を全部変更」という処理では済まないケースもある。
将来的に自動化するにしても、「公的な氏名変更を確認した。この契約情報にも反映しますか?」と本人に確認するような形の方が現実的なのかもしれない。

あと車関連では、今回の主題からは離れるが、引っ越しをするとナンバープレートの変更手続きが必要になるとかなんとか。
しかも変更登録に通常1週間程度かかるらしく、正直私は手続きをしたことがない。
そっちも後日調べて、やってみるか・・・。

携帯電話や通販、サブスクは性質が違う

携帯電話会社でも、契約者の氏名を変更する場合には手続きが必要になる。
ただ、今回実際に変更してみても、こうした民間サービスの多くはオンラインで手続きを進めることができた。

一方、サブスク系は変更すべきであろうが法的な本人確認書類等に基づいているわけではないため、手続き自体は簡単に終えられた。
もちろん、決済に使うクレジットカードとの関係など、サービスごとに確認した方がよい事項はある。
しかし、結婚したからといって、インターネット上に登録している「旧姓」を片っ端から「新姓」に書き換える必要があるわけではない。

そもそも、全部を新姓に変える必要があるのか

ここまで新しい名字へ変更するのって案外めんどくさくないということを見てきた。

しかし、もう一つ考えておきたいことがある。
そもそも、結婚したら社会生活で使う名前まで全て新姓に変えなければならないのだろうか。

ここで関係してくるのが旧姓使用である。
そして「旧姓を使える」という話には、大きく分けて2つの意味がある。

1つ目は「新姓+旧姓」の併記

1つ目は、新姓を正式な姓とした上で、旧姓も併せて表示する方法である。

例えば、「山田花子(旧姓・田中)」のような形だ。
住民票に旧姓を記載すれば、マイナンバーカードにも旧姓を記載することができる10。

これは「正式な姓は山田だが、この人は以前、田中という姓を使用していた」という関係を公的な証明書上でも示せる制度である。
そしてマイナンバーカードだけでなく、住民票や運転免許証、パスポートなどでも旧姓を併記できる仕組みが広がっている11。

2つ目は「旧姓だけ」で社会生活を送る方法

もう1つは意味が違う。

戸籍上は「山田花子」になったとしても、名刺は「田中花子」、社員証も「田中花子」、メールアドレスも田中をベースにしたもの。
そして職場でも取引先でも田中さんと呼ばれる状態。
つまり職場では旧姓をそのまま使い続けるという状態である。
勤務先の就業規則や社内制度にもよるが、職場ではこのように新姓を併記せず、旧姓だけを使用できる場合がある。

これは先ほどの、旧姓併記とは性質が違う。
前者は新姓を前提として旧姓も公的に示すものであるが後者は、戸籍上の姓とは別に社会生活上の名前として「田中花子」をそのまま使い続ける旧姓単独使用である。

政治的な「旧姓使用」も2つを分けて考えたい

この違いは、現在の政治的な旧姓使用の議論を見る上でも重要である。

「旧姓を使えるようにする」と言っても、公的証明書に新姓と旧姓を併記できるようにする話と、社会生活上、旧姓だけでも通用する範囲を広げる話は同じではない。

現在、住民票、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどでは旧姓併記が可能になっている12。
その一方で政府は、婚姻によって改姓した人の不便や不利益を減らすため、「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備」についても検討するとしている13。

つまり現在の議論は、単に「新姓の横に旧姓を書けるようにする」だけではない。
どの場面まで、「戸籍上は山田だが、田中として社会生活を送る」ことを制度的に認めていくのかという問題でもある。

これは選択的夫婦別姓そのものの是非とは分けて考えることができる論点だろう。

結婚後の手続きは、思っていたより楽だった

結婚前は、名字が変われば役所や銀行を何軒も回ることになると思っていた。

しかし、実際にやってみると印象は違った。
婚姻届を出したその日に、役所でマイナンバーカードの変更まで終わった。
その後の手続きも、今回私たちが対象となったものの大半はオンラインで済ませることができた。

みずほ銀行のように今も店舗へ行く必要があるものは残っているし、車検証、保険、パスポートなど、それぞれ別途確認しなければならない手続きもある。

しかし少なくとも、「結婚したら1日中、役所と銀行を回り続ける」という私のイメージはかなり古かったようである。

制度はかなり進んでいる。それでも最後の接続が足りない

今回調べてみて感じたのは、日本のデジタル化が全く進んでいないということではない。

むしろ、思っていた以上に進んでいる。
年金ではすでにマイナンバーを利用して氏名変更届を省略できる。
現に今回、何も行っておらず、役所での案内もなかった。

金融機関等には、本人の同意を前提として最新の氏名・住所等を取得する仕組みまで存在する。
車の手続きでも、マイナンバーカードの情報を使って提出書類を省略できる場合がある。

さらに、そもそも旧姓のまま使い続けられるものや、戸籍姓と一致させる必要のないサービスもある。

結婚後の名義変更は、想像していたより楽にできるのである。

確かに何でも行政が勝手に変更すればよいとも思わない。
国が本人の意思と関係なく、どこの銀行を使い、どこの保険会社と契約し、どのサービスに加入しているかを把握して、自動的に情報を書き換えていく仕組みには別の問題がある。
だからこそ本人の同意が重要なのだろう。

情報提供を許可した事業者には最新の公的情報を提供する。
許可していない事業者には提供しない。
JPKIの最新4情報提供サービスは、すでにその方向に近い仕組みである。

思っていた以上に制度は進んでいる。
しかし、それぞれの制度をつなぐ最後の部分がまだ足りない
。

今回実際に結婚の手続きを経験してみて、私はそんな印象を持った。

バーガーキングで改めて「結婚したんだな」と思った

ちなみに、役所を出たのはまだ10時前だった。

思っていたより早く終わったので、その後はショッピングセンターへ行き、平日のバーガーキングでゆっくり食事をした。

普段なら仕事をしている時間である。
平日のショッピングセンターには子ども連れの人がまばらにいて、休日とは少し違う空気が流れていた。

そしてふと自分の左手を見ると、指輪がある。

婚姻届を出したときは手続きを進めることに意識が向いていたからか、むしろそんな何でもない時間の方が、「ああ、結婚したんだな」と改めて感じられた。

結婚には名字や戸籍、様々な契約の変更といった事務的な側面もある。
この記事ではそんな話ばかり取り上げてきたが、実際に経験してみれば、それだけが結婚ではない。
必要な手続きは人によって違う。

だからこそ、この記事を一つの参考に、自分の場合は何を変更しなければならないのかを一度整理してみてほしい。

実際に結婚を経験された方、また今後結婚を予定されている方など、手続きで困ったことや、逆に「これは意外と簡単だった」ということがあれば、コメント欄にお書きいただけると幸いである。
皆さんで意見交換ができれば、私自身の勉強にもなる。

お疲れさまでした。

  1. みずほ銀行(2026)「名義変更(氏名変更)の手続方法を知りたい。」< https://www.faq.mizuhobank.co.jp/faq/show/16?site_domain=default >(2026/10/4参照) ↩︎
  2. デジタル庁(2026)「よくある質問:マイナンバー(個人番号)について」< https://www.digital.go.jp/policies/mynumber_faq_02 >(2026/10/4参照) ↩︎
  3. デジタル庁(2026)「公的個人認証サービス(JPKI)」及び「公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン 第1.8版」< https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/private-business/jpki-introduction >(2026/10/4参照) ↩︎
  4. 日本年金機構「氏名が変わりました。何か手続きは必要ですか。」< https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/jukyushatodoke/kyotsu/shimei-henko/20140421.html >(2026/10/4参照) ↩︎
  5. 公的個人認証サービス(通称JPKI(Japanese Public Key Infrastructure))とは、マイナンバーカード等に搭載された電子証明書を使い、オンライン上で本人確認や電子署名を行う仕組みである。 ↩︎
  6. デジタル庁(2026)「公的個人認証サービス(JPKI)」―「最新の利用者情報(4情報)提供サービス」< https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/private-business/jpki-introduction >(2026/10/4参照) ↩︎
  7. 外務省「国内からオンライン申請する」< https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/page22_004036.html >(2026/10/4参照) ↩︎
  8. 同上 ↩︎
  9. 国土交通省「自動車保有関係手続のワンストップサービス」―「よくあるご質問」「受付審査時に必要な書類等(変更登録)」< https://www.oss.mlit.go.jp/portal/beginner/faq/index.html >、< https://www.oss.mlit.go.jp/portal/beginner/shinsei-nagare/shinsei/hitsuyou-shorui2-1/index.html >(2026/10/4参照) ↩︎
  10. マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカードに旧姓(旧氏)の記載はできますか?」< https://www.kojinbango-card.go.jp/faq_other5/ >(2026/10/4参照) ↩︎
  11. 内閣府男女共同参画局(2026)『令和8年版男女共同参画白書』第1節「男女共同参画の視点に立った各種制度等の見直し」< https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r08/zentai/html/shisaku/ss10_01.html >(2026/10/4参照) ↩︎
  12. 同上 ↩︎
  13. 同上 ↩︎

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