[鉄道]淡路島線妄想地理

[淡路島線]Ⅲ 淡路島線の利便性|どこまで使いやすくなるのか

前回よりいよいよ本格的に始まった淡路島線の妄想企画。

Ⅰでは今日における淡路島の交通の現状、Ⅱでは淡路島線の概要と設置駅について取り上げた。

今回は淡路島線における列車種別所要時間運賃などの、利用者として実際に利便性を実感できるテーマを取り上げていく。

ではいこう。

「ぼくの色眼鏡哲学」管理人のながたるみおです。今回は当ブログにお越しいただきありがとうございます。

是非、最後までお楽しみください。

列車種別

淡路島線には、特急淡海路快速おうみじかいそく普通の3つの列車種別が走る。

ダイヤはJR神戸線と一体となった運用が組まれており、早朝や深夜等の一部時間帯を除き、須磨駅よりJR神戸線に乗り入れて京阪神地区まで一本で繋がっている。

特急

淡路島線内で最速達種別となるのが、特急「うずしお」になる。

同列車の役割は、京阪神圏と徳島、及び淡路島を最速で結ぶということが挙げられる。

運行区間は、京都駅 – 鳴門駅 – 徳島駅を基本としており、1日16往復程度の運行を検討している。

但しこの内1往復は京都駅 – 鳴門駅の運行となっている。

途中の停車駅は、以下の通りとなっている。

会社名JR西日本JR四国
路線名(愛称)JR京都線JR神戸線淡路島線鳴門線高徳線
運行本数運行列車京都新大阪大阪三ノ宮洲本鳴門池谷徳島
1
往復
2号
31号
15
往復
上記以外
往復停車本数3232323232323030

JR神戸線・JR京都線区間では他の特急も走行しているが、これらの停車駅の他に高槻駅や尼崎駅、そして神戸駅。また高徳線区間でも勝瑞しょうずい駅に停車する列車も多い。

しかし今回の「うずしお」は、前述の「最速で結ぶ」という理由から除外した。

詳細は以下の展開メニューを参照されたい。

結論として運用上、そして利用者目線からの双方の利便性を踏まえて、できる限りの最小限の停車駅に抑え、かつ停車パターンを一つに限定した。

今回の停車駅を決定するにあたり、3つの論点が挙げられた。

・京阪神側の起終点をどこにするか ー 京都駅?大阪駅?新大阪駅?

・追加停車駅をどうするか ー 高槻駅・尼崎駅・神戸駅・勝瑞駅の処遇

・停車パターンを増やして、前述の追加停車駅にも特急を一部停車させるか否か

では1点目の京阪神側の発着点について。

まず運行区間として、大阪駅を含むことを必須条件とした。

というのも大阪駅は言うまでも西日本随一の乗降客数を誇る大ターミナル駅であり、日本国内でも有数の繁華街である梅田の最寄りとなっている。

このことからよっぽど特別な事情がない限り、大阪駅を通らない列車を設定することはありえない。

一方で大阪駅を起終点としてしなかったのは、単純に新幹線に直接接続していないためである。

「うずしお」に期待されることとして、徳島と京阪神圏間の往来利便性の向上であることは前述のとおりだが、これに加え付随的に新幹線経由での関西圏外1と四国の往来利便性向上も挙げられる。

このことから新幹線が乗り入れない大阪駅を起終点とすると、特急と新幹線を乗り継ぐ場合、乗り換えの手間が一つ増え、それだけでも利便性は大幅に低下する。

では新大阪駅ではどうか。

確かに新大阪駅を起終点とすれば新幹線と直接乗り換えが可能になるため、一見合理的に思える。

しかし今日のダイヤにおいて、新大阪駅を起終点とする在来線特急は「こうのとり」や「らくラクやまと」、その他一部列車のみに限られており、大半が大阪駅、もしくは京都駅となっている。

このような状態で「うずしお」の起終点を新大阪駅とすると、ダイヤパターン上は例外系統となり、将来的な増発や運用変更の柔軟性が低下することから、今回は採用を見送った。

では京都駅はどうか。

京都駅も新大阪駅同様に新幹線が乗り入れており、また多数の在来線特急が発着、起終点となっている。

以上のことから大阪駅、新大阪駅のネガを克服できるのが京都駅であり、運用上の利便性も向上することから京都駅に優位性が認められる

ここで特急「はるか」が2029年度に山科駅発着に変わるというニュースがあったが2、一旦ここでは京都駅を起終点としておくが、「はるか」の状況次第では山科駅に起終点を変更することも検討される。

また「うずしお」が京都駅まで延長運転されることで、JR西日本にとって2つの営業上のメリットが生まれると考える。

1点目に、新幹線から在来線への需要転換が見込まれる。

京都駅 – 新大阪駅間は新幹線と在来線が並走しており、両駅間の往来にはどちらも選択肢になりうるが、新幹線はJR東海管轄となっており、利用手段によって営業利益を得る事業者が異なる。

そして今日において、東海道新幹線沿線から四国に行く場合は以下の2パターンが考えられる。

・A:東海道・山陽新幹線→岡山駅→瀬戸大橋線(在来線)→四国

・B:東海道新幹線→在来線→大阪駅・三ノ宮駅→高速バス→四国

ここでパターンAが想定されるパターンとして、高松、松山、高知方面に行く場合が考えられる。

これは特急や快速マリンライナーの利便性が高いためである。

しかし徳島方面に行く場合、瀬戸大橋経由だと大幅な遠回りのため、ほぼほぼパターンBが選択されると考えている。

この場合、大半の利用客が京都駅 – 新大阪駅間は新幹線を利用しその後在来線を利用する場合が、その利便性の高さ故に多いと考えられる。

ここで徳島まで1本でアクセスできる特急「うずしお」が京都駅まで延長運転した場合、京都駅 – 新大阪駅間は在来線を利用する人が増えると考えられ、その分JR西日本の取り分が増えると考えられる。

そして2点目に、着席サービス制度の拡充だ。

今日のダイヤにおいて京阪神地区の新快速には、有料座席制度のAシートが設定されているが、この本数が6~8本/日にとどまっており、かつ運行時間帯も偏っている。

しかし「うずしお」は片道16本/日設定があり、かつ時間帯も毎時1本を想定している。

新快速のAシートと比較した場合、停車駅の少なさや運行区間の短さが挙げられるが、特に混雑の激しい京阪神間、かつ主要駅には停車することから、一定の需要は満たすことができると考える。

ただ料金差に関しては、現状JR西日本では在来線特急の割引制度が早期予約による割引しかないことから、一旦は従来特急料金を流用する。

しかし後述するように、いずれはネット予約割引などを新設しても良いのではないかと考えている。

以上、2点の理由より、「うずしお」は京都駅を起終点とする。

では次に追加停車駅について。一駅ずつみていく。

尚、ここでは通勤特急は除外して考えている。

高槻駅は「サンダーバード」や「はるか」などが一部停車するが、いずれも朝夕の時間帯に限定されている。

この理由として考えられることとして、高槻駅が京阪間のベッドタウンとして発展してきたためであり、通勤・通学ラッシュ需要に応えるためだと考えられる。

また高槻駅は新快速の全列車が停車するため、「うずしお」を利用する場合は、新快速で新大阪駅や大阪駅で乗り継ぐ場合でも十分な利便性が確保できる。

以上のことから、高槻駅は全列車通過とした。

次に尼崎駅。当駅は「こうのとり」の全列車が時間帯を問わず停車している一方、JR神戸線の特急はすべて通過となっている。

この理由として考えられることとして、尼崎駅が大阪駅から西に2番目の駅であることが挙げられる。

「こうのとり」は尼崎駅からJR宝塚線に入るため、JR神戸線利用客の利便性確保のために全列車通過となっていると考えられる。

このことから、尼崎駅も全列車通過とした。

次に神戸駅。当駅は「はまかぜ」の全列車、及び「スーパーはくと」の一部列車が停車している。

因みに「はまかぜ」は3本/日と運転本数がそもそも少なく、「スーパーはくと」も夜の下り2本のみが発着するにとどまっている。

この理由として考えられることは、「はまかぜ」と「スーパーはくと」の期待される役割が異なる事が挙げられる。

「はまかぜ」は播但線内では停車駅が増えることから、速達性よりも沿線の利便性を重視した列車だと考えられる。

一方「スーパーはくと」は新幹線の通っていない鳥取と関西圏を最速で結ぶことに重きが置かれた列車だと考えられる3

これらを踏まえると、「うずしお」が四国と関西圏を最速で結ぶという列車特性である以上、「スーパーはくと」に倣うのが適当だと考え、神戸駅は全列車通過とした4

では最後に勝瑞駅。当駅は「うずしお(既存)」が朝夕を中心に、一部列車が停車している。

当駅は前3駅とは異なり、特急の半数近くが停車する駅となっている。

ただ当駅は「うずしお(新設)」の停車駅となっている池谷駅の隣駅となっており、特急停車駅はどちらかに限定するのが良いか判断するうえで、各駅のメリット、デメリットを以下の表にまとめたうえで考察する。

池谷駅勝瑞駅
利点・鳴門線と高徳線の分岐駅
行き違い等、運用上の利点◎
・高徳線香川方面との往来も容易に
・既存ダイヤにおいて、特急停車本数が多い
・乗降客数が県内2番目に多い
より多くの需要が見込まれる
欠点・乗降客数が圧倒的に少ない
→利用客の大半が乗り換え需要?
・分岐駅ではない
→行き違い等の運用上の利点は相対的に低い
・1線スルー式のホーム形状
通過列車の利便性◎
特急
停車
本数
(往復)
2812

以上の情報を踏まえると、勝瑞駅よりも池谷駅のほうがメリットは大きいと考えられる5

特に高徳線香川方面との往来と運用上の利点より、池谷駅を常時停車駅として設定した。そして勝瑞駅は速達性重視のため、全列車通過とした。

では一部列車のみを各候補駅に停車するのはどうか。

一部列車停車駅となるほどの十分な理由を有する駅が本稿ではないと判断し、また利用者目線でも列車によって停車駅が異なるということが混乱を招きうると考えたため、全列車一律の停車駅と設定した。

そして特急「うずしお」の名前の由来は、鳴門海峡の渦潮に端を発する

ところで今日、高松駅 – 徳島駅間で運行されている特急も「うずしお」となっているが、淡路島線開業後は、特急「せとうち」と改称する。

「うずしお」の由来として、JR民営化後に当名称が高松や岡山から徳島に向かう列車で設定され、親しまれてきた。

しかし鳴門海峡を渡る特急として、当名称の歴史を踏まえても「うずしお」とする他なく、既存の特急名称を変更せざるを得なくなった。

そして「せとうち」は瀬戸内海沿岸を走ることから命名した。

尚、当特急の名称候補として「おのころ6」というものもあったが今回は見送った。

個人的に気に入った名前であるが、より徳島を感じられるため「うずしお」を採用した。

そして列車は671系を用いる。これは681系や683系をもとに新線に合わせて新調した列車を運用に合わせる。詳細に関しては後日、紹介する。

4両編成での運用を行い、時間帯によっては4両+4両の増結運転も行う。

この内、グリーン席は1両、指定席は1両、自由席は2両設定している。

淡海路快速

淡路島線へ直通する快速として、淡海路快速おうみじかいそくを設定した。

基本の停車駅は、以下の通りになっている。

尚、参考程度に特急「うずしお」の停車駅、新快速と快速も掲載しておく。

路線名(愛称)淡路島線JR神戸線JR京都線湖西線
鳴門鳴門公園南淡うずしお福良賀集護国寺三原おのころ広田学園丘西洲本洲本津名あわじ東浦須磨兵庫神戸元町三ノ宮六甲道住吉芦屋西宮尼崎大阪新大阪茨木高槻島本山崎長岡京向日町桂川西大路京都山科大津京唐崎比叡山坂本おごと温泉堅田小野和邇蓬莱志賀比良近江舞子北小松近江高島安曇川新旭近江今津
種別特急「うずしお」
淡海路快速
新快速
快速

運行区間は基本、近江舞子駅 – 鳴門駅となっているが、一部列車は近江今津駅、京都駅、また西洲本駅発着のものもある。

このような長区間の運行距離7となったのは、運用上の理由による。

詳細については、以下の展開メニューを参考にされたい。

結論として、運用上の柔軟性と遅延波及リスクのバランスを取ったため、前述の運転区間となった。

まず淡路島側の起終点は鳴門駅とした。

この理由として、淡路島線の普通列車が基本は西洲本駅を起終点としており、線内の南半分を通る普通列車を設定するため

では本州側はどこにすべきか。

まず神戸駅(三ノ宮駅)は運行が必須となる。

特急と異なり、通勤・通学利用が当種別には期待されるため、最も近い大都市である三ノ宮地区には直通する必要がある。

しかし三ノ宮駅に折り返し設備がなく、三ノ宮駅を起終点とすることは物理的に不可能。

そして神戸駅であれば折り返し運用も物理的には可能であるが、神戸の中心街からは少し外れてしまうため、ここを起終点とするのは利便性に欠ける。

次に大阪駅はどうか。

そもそも大阪駅が前述のように西日本随一の大ターミナル駅であることから、乗り入れは必須と考えられる。

だが既に多くの列車が当駅を発着としており、新たに発着列車を設定することはホーム容量の余裕がなく難しいと考えられる。

では新大阪駅はどうか。

これは前述の特急同様に、現行ダイヤにおいて新大阪駅を起終点とする列車は少数派であり、発着パターンを踏まえると、新大阪駅案は少し優先度は下がる。

では京都駅はどうか。

特急「うずしお」は京都駅を起終点とすると設定したが、実際多くの列車が発着しており、更に多くの列車が当駅を起終点としている。

前述のように「はるか」の起終点の変更が検討されているように、これ以上当駅を起終点とする列車の設定は厳しいと考えられる。

以上のことを踏まえると、淡路島線の快速は東海道・山陽本線(JR神戸線・JR京都線)だけで完結させるのではなく、いずれかの接続路線へ「逃がす」必要がある。

ここで以下の画像をご覧いただきたい。

以上の画像はJR西日本の近畿エリアの路線図である8

これを踏まえて、以下の五案を候補として考えた。

・案A:尼崎駅→JR東西線・学研都市線

・案B:新大阪駅→おおさか東線

・案C:京都駅→奈良線

・案D:京都駅→琵琶湖線

・案E:京都駅→湖西線

このうち案Bについて、JR神戸線の列車がそのままおおさか東線に入るための渡り線が設置されておらず、物理的に実現が不可能となっている。

したがって実際の検討対象は案A・C・D・Eの4案となる。

ここで、本稿では近畿エリアの各路線を二分して考えたい。

当ブログの私案ではあるが、近畿圏のJR線は多数の直通運転を行っているが、ダイヤパターンや直通関係から、大きく二つの系統ネットワークに整理できると考える9

その内容については、以下の表を御覧いただきたい。

大阪環状線系統東海道線系統
路線名選出理由路線名選出理由
大阪環状線JR京都線
大和路線大和路快速が直通北陸線琵琶湖線経由で
JR京都線と一体的な運用
おおさか東線大和路線との
直通列車が設定
琵琶湖線JR京都線・JR神戸線と
一体的な運用
奈良線木津駅 – 奈良駅間で
大和路線と線路を共有
草津線琵琶湖線との
直通列車が設定
和歌山線大和路線との
直通列車が設定
湖西線JR京都線との直通列車が設定されている
万葉まほろば線
(桜井線)
和歌山線との
直通列車が設定
JR神戸線
関西線大和路線との接続が
考慮されたダイヤが設定
JR東西線JR神戸線と
一体的な運用
阪和線紀州路快速・関空快速が直通学研都市線JR東西線経由でJR神戸線と一体的な運用
関西空港線関空快速で
阪和線と一体的な運用
JR宝塚線大阪駅 – 尼崎駅間で
JR神戸線と線路を共有
JR東西線と一体的な運用
きのくに線
(紀勢線)
阪和線との
直通列車が設定
福知山線JR宝塚線との
直通列車が設定
山陰線福知山線との
直通列車が設定
舞鶴線福知山駅 – 綾部駅間で
山陰線と線路を共有
嵯峨野線山陰線との
直通列車が設定
赤穂線JR神戸線と
一体的な運用
山陽線JR神戸線と
一体的な運用
播但線JR神戸線との
直通列車が設定
加古川線両端で東海道線系統の
路線に接続
姫新線姫路駅でJR神戸線に接続

これらを踏まると淡路島線は、東海道線系統に分類される。

以上の分類を踏まえて考えたいこととして、系統をまたぐ列車設定は基本避けたいということである。

ダイヤ運用に基づく分類であるため、列車の遅延や運休などの非常事態が起きた場合に、どこまで影響範囲が及びうるかが、理解しやすくなる。

例えばJR京都線が運休になった場合、一部大阪環状線に直通する列車なども存在するが基本は東海道線系統に直通する列車がほとんどであり、影響は大阪環状線系統路線に甚大な影響を及ぼすことは考えにくい。

であれば淡路島線の快速は東海道線系統路線に起終点を設定することが求められる。

このことを踏まえて案A・C・D・Eを見直すと、案Cは大阪環状線系統路線であるため、今回は除外とした。

では残りの三案について、配線や運用の実情から発着候補駅を提示し、それぞれの実現可能性について検討していく。

まず案Aについて。この場合の発着候補駅は以下の4駅が挙げられる。

・四条畷駅(学研都市線)

・同志社前駅(同上)

・木津駅(同上)

・奈良駅(大和路線・奈良線)

四条畷駅は、現行ダイヤでも普通列車の起終点として頻繁に使用されており、ホームや引き上げ線の容量面から、これ以上の始発・執着列車を設定する余地は小さい。よって却下。

同志社前駅は、今日においても多くの快速列車が発着しているが、その大半はJR宝塚線直通列車であり、淡路島線直通列車に置き換える余地は小さい。また学研都市線の松井山手駅 – 木津駅間は単線であることから、当該区間においてダイヤ面での増発や遅延回復面で負荷が大きい。以上のことから当駅案も合理的とは言い難い。

木津駅、奈良駅案も同志社前駅同様に単線区間に新たな長距離直通系統で占有することは、運用上のネックとなりうるため採用を見送った。

また奈良駅は大阪環状線系統に属するため、その意味でも考えられない。

では次に案Dについて。

琵琶湖線はJR京都線と一体的な運用がなされており、実際JR京都線の日中時間帯の新快速4本の内、3本は琵琶湖線に乗り入れており、この他にも多数の列車が直通運転を行っている。

このように既に成熟した大きな市場を持つ琵琶湖線に新たな快速を乗り入れ、既存需要と組み合わせてさらなる強化を図ること自体は、戦略として十分魅力的である。

しかし裏を返せば、既に需要に対する供給が十分確保されており、新たに淡路島方面に向かう列車を設定しても、滋賀から淡路島や鳴門まで快速で向かう需要は限定的だと考えられ、であれば滋賀と京阪神圏の往来需要がメイン層になり得るが新快速がある。更に線路容量的にも不可能ではないと思われるが、供給過多になりうる。

このことから琵琶湖線に乗り入れることは採用できない理由はないが、積極的に採用する理由も乏しいと考える。

では案Eはどうか。

湖西線もJR京都線との直通列車が多数設定されているものの、新快速や特急に限定されており、沿線民は主に京都への往来がほとんどであり、阪神圏との往来は比較的少ないと思われる。

つまり湖西線は阪神地域との結び付きに伸びしろを残しており、ここに新たな列車を直通させることで、2つの新たな需要喚起を果たせると考える。

・滋賀 – 淡路島 – 四国の直通需要、特に一体的な観光需要を喚起

・湖西線沿線 – 京阪神圏の結びつき強化

勿論、案Eである湖西線直通案にも「比良おろし」という大きなデメリットも存在する。

しかし当問題に関しては、特急や新快速、更に貨物列車全体に影響を及ぼすものであり、特に特急に関しては比良おろしによるダイヤ乱れ時には琵琶湖線経由になることから、湖西線でも琵琶湖線でも比良おろしの影響は受けうるため、特に選定において影響はないと考える。

このことから淡路島線の新たな快速は湖西線に直通し、かつ2つ目の理由から特に現在新快速が停車していない各駅と京阪神圏の結びつき強化のため、新たな快速は湖西線内では各駅停車とする。

では湖西線のどの駅を起終点とするのがよいか、以下4駅を候補として挙げた。

・堅田駅

・近江舞子駅

・近江今津駅

・敦賀駅(北陸線経由)

堅田駅は今日のダイヤにおいて、一部普通列車の起終点となっている。また利用客も湖西線内トップクラスの数を誇る。しかし既に堅田駅では緩急接続が実施されており、そのホーム容量に完全なる余裕があるとは言い難い。このため一旦保留とする。

近江舞子駅は堅田駅とともに普通列車の起終点となっており、当駅以北は新快速も各駅停車を行うように、運転系統上の基幹駅となっている。このため既存の当駅発着の普通列車を淡路島線直通列車に置き換えることで、湖西線の各駅停車駅から京阪神圏への利便性確保を満たす。よって当駅を淡路島線快速の基本的な起終点とする。

では残りの2駅について、消化試合だが見ておく。

近江今津駅は一部普通列車の起終点であったり、新快速の増解結が行われるように運行上の拠点駅となっており、当駅周辺には県立高島高校やその他行政施設が多数存在するように高島市の中心駅模になっている、地域の重要拠点駅となっている。しかし近江今津駅自体の需要は大きくとも、近江今津駅 – 近江舞子駅間の各駅の需要は近江舞子駅以南と比較すると細く、わざわざ近江今津駅を基本的な起終点として設定するのはメリットに比べデメリットが大きいと考える。一方で一部普通列車が近江今津駅を起終点としていることから、既存のダイヤは大きくいじらない程度に近江今津駅への乗り入れも行う。

敦賀駅は新快速と経路が大幅に重複しており、特に近江今津駅以北で供給過多になりうる。加えて湖西線内では各駅停車を行うことから、京阪神圏への所要時間も伸びてしまい、需要が薄くなってしまう。このことから敦賀駅案は却下となった。

以上のことから、既存のダイヤとの整合性と需要のバランスより、淡路島線の快速の本州側における起終点を、湖西線の近江舞子駅を基本として、一部列車は近江今津駅とした。


そしてこのことを踏まえ、当快速の種別名を「淡路路快速」とした。

尚、一つ懸念点として、湖西線内において「快速」と「淡海路快速」の停車駅の違いについて。

両方「快速」と冠しているが、後者は各駅停車を行うなど停車駅が大きく異なる。

ただ前者が朝の上り1本、夕の下り1本のみであり、本数が非常に限定的であることから、特に問題はないとして、原案のまま採用する。

当種別の名前の由来は、「淡路」の「海」と「近江」を結ぶことに端を発する。

当種別の本来の目的として淡路島線に直通する快速であることから、このことが直感的に理解ができる「」の字を含んだ。

そして滋賀の旧国名である「近江」は、古来より「淡海(あわふみ、もしくはあふみ)」と呼称されてきた10

更に近畿圏の快速には「◯◯路快速」と呼ぶことが多いため11、これに倣い「淡海路快速」とした。

普通

運行区間は、京都駅 – 須磨駅 – 西洲本駅が基本となっている。

この内一部列車は、高槻駅や鳴門駅発着の列車も存在する。

現状、JR神戸線の普通は西明石駅や須磨駅発着が多いが、この内一部を西洲本駅まで延長運転することで、ダイヤ作成を行う。

このため、本州側の発着点に京都駅、高槻駅、そしてJR東西線経由の四条畷駅や松井山手駅が設定されている。これらはいずれも既存列車の置き換えのためであり、新設列車は設定しない。

本数

各列車の日中の基本発着パターンは以下の通りになる。尚、表記の本数は片道あたりであり、淡路島線直通列車のみである。

管轄会社JR四国JR西日本
路線名称高徳線 /
鳴門線
淡路島線JR神戸線JR京都線湖西線
徳島鳴門西洲本須磨尼崎大阪高槻京都近江舞子
特急1本
淡海路快速2本
普通0-1本→JR東西線経由・松井山手
2-4本
0-2本
最大本数13777762

運行間隔は以下の通りとなる。尚、以下の数値は片道あたりであり、概ねの数値であることに留意いただきたい。

早朝ラッシュ時日中深夜
特急1時間間隔
淡海路快速40分間隔30分間隔
普通40分間隔20分間隔15分間隔20分間隔

所要時間と運賃

では実際、各種別がどれぐらいの所要時間なのか、また運賃はどれぐらいになるのかを取り上げていく。

尚、本路線は妄想路線であるため当然ではあるが、あくまで試算であり、また当方が素人であるため誤った認識もあるかもしれないため、暖かく見守っていただければと思う。

所要時間

前回の記事において、須磨駅 – 鳴門駅間の最速所要時間は47分と想定していると紹介した。

前回の記事作成後、妄想ダイヤを計算してみた結果、最速で43分台となった。

そしてこの場合の表定速度は、104km/h台となっている。

ただあくまで、初心者なりに計算しただけなため、正確性の担保はできかねるので、あくまで参考程度に捉えてほしい。

他の区間については、以下の展開メニューを参照されたい。

今回は、京都駅、大阪駅、三ノ宮駅からの各種別による所要時間を洲本駅、鳴門駅、徳島駅ごとに分けて取り上げる。

尚、中央値とは、便宜上平均値と同義と考えていただいて構わない。

まず洲本駅発着について。

特急淡海路快速普通
発駅最速値中央値最速値中央値最速値中央値
京都駅約75分約86分約102分約104分約139分約147分
快速比+約37分+約43分
特急比+約27分+約18分+約64分+約61分
大阪駅約47分約53分約64分約66分約86分約92分
快速比+約22分+約26分
特急比+約17分+約13分+約39分+約39分
三ノ宮駅約31分約35分約39分約42分約50分約54分
快速比+約11分+約12分
特急比+約8分+約7分+約19分+約19分

次に鳴門駅について。

特急淡海路快速普通
発駅最速値中央値最速値中央値最速値中央値
京都駅約96分約107分約131分約134分
特急比+約35分+約27分
大阪駅約67分約74分約94分約95分約115分約115分
快速比+約21分+約20分
特急比+約27分+約21分+約48分+約41分
三ノ宮駅約51分約55分約68分約71分約79分約79分
快速比+約11分+約8分
特急比+約17分+約16分+約28分+約24分

では最後に徳島駅について。尚、当項では特急のみを取り上げる。

特急
発駅最速値中央値
京都駅約120分約131分
大阪駅約91分約98分
三ノ宮駅約76分約79分

運賃

ここは任意の駅をリストで選んでいただければ、運賃と特急料金を表示できる。

運賃:
特急指定席:
特急自由席:
グリーン席:
※特急料金(指定・自由・グリーン)は、対象駅(京都 / 新大阪 / 大阪 / 三ノ宮 / 洲本 / 鳴門 / 徳島)同士のときのみ表示(対象外は「-」)

以下、今回の料金を設定するうえで用いた詳細ルールを記す。

運賃の各ルールについては、JRおでかけネットの電子ブックを参考にした。

当該サイトについては、以下のカードより参照されたい。

まず淡路島線は、全線幹線として設定している。

またこの内、須磨駅 – 洲本駅間は、大阪の電車特定区間に含む区間として、割安な運賃が設定されている。

淡路島線は新線開業路線であり、明石海峡トンネル、大鳴門橋という海上区間を抱えているため、加算運賃を以下のように設定した。

・明石海峡トンネル区間(須磨駅 – ひょうご大磯駅):150円・・・A

・大鳴門橋区間(南淡うずしお駅 – 鳴門公園駅):110円・・・B

・淡路島内区間(ひょうご大磯駅 – 南淡うずしお駅):40円・・・C

・鳴門市内区間(鳴門公園駅 – 鳴門駅):40円・・・D

尚、加算運賃A・BとC、またA・BとDはそれぞれ重複して加算はされない。

加算運賃Cについては、加算運賃A・B各区間を通らず、かつひょうご大磯駅 – 南淡うずしお駅間の1駅間以上を利用した場合に加算される。

加算運賃Dについては、鳴門公園駅 – 鳴門駅のみ、もしくは鳴門公園駅 – 鳴門駅以東のJR四国区間を利用する場合に加算される。

例として以下の5つを示す。

・須磨駅→鳴門駅:加算運賃は+260円(=150円+110円)

・須磨駅→洲本駅:加算運賃は+150円

・洲本駅→鳴門駅:加算運賃は+110円

・ひょうご大磯駅→洲本駅:加算運賃は+40円

・鳴門公園駅→鳴門駅:加算運賃は+40円

またJR西日本とJR四国を跨いだ利用、つまり鳴門駅を跨いだ利用については、+100円を加算する。

因みに今回の計算では無関係ではあるが、JR四国区間の21km以上の利用に関しては、現状ルールに準ずる。

また特急料金に関しては、A特急料金を適用する。

ここまで淡路島線自体の所要時間と運賃について見てきた。

では実際、他の交通機関と比較した際にいかがな競争力を持つのか。

それを見ていく。

他の交通機関との比較

京阪神圏から淡路島、また四国方面へは多数の高速バスが運行されており、また遠回りではあるが鉄道を利用する、という手段もある。

一般的な両者の比較としては、以下の特長が挙げられる。

利点欠点
鉄道・所要時間が比較的短い
・定時性が確保されている
・通常料金は割高
・高速道路の開通で速達性に欠けることも
高速バス・運賃が割安
・ルートの新規開業、変更などが容易
・渋滞など交通事情に大きく左右される
・地図にバス停が表示されることは少なく、
 利便性に欠ける

以上の特長は日本全国共通の一般的なものではあるが、特に淡路島方面には鉄道が存在しないこと、また徳島方面にも鉄道だと大回りが強いられることから、高速バスが圧倒的有利な立場にある。

では実際に現状を見ていく。

淡路島方面

今回は淡路島を代表して、洲本方面への所要時間と運賃で比較していく。

ただし高速バスに関しては最速所要時間と最安運賃を当ブログの調べた限りであるため12、あくまで参考程度に捉えていただきたい。

高速バス運賃に関しては、学割も含めた最安値であり、所要時間は最速所要時間を記しているため、必ずしも最速所要時間のバスと最安運賃のバスは一致しない。

高速バス淡路島線
特急淡海路快速
最速所要時間最安料金最速所要時間自由席料金
(指定席料金)
最速所要時間運賃
三宮75分程度〜¥2,240~約31分〜¥2,190
(¥2,720)
約39分¥990
大阪102分程度〜¥2,400~約47分〜¥2,810
(¥3,340)
約64分¥1,610
京都92分程度〜¥2,320~約75分〜¥4,220
(¥4,750)
約102分¥2,360

以上の表をまとめると、以下のことが見えてくる。

三宮方面に関しては、所要時間において淡海路快速でも高速バスの半分近くであり、かつ定時性に関しても#1で取り上げたように、休暇期間などは渋滞が生じがちなこともあり、時間面でも鉄道優位だと言える。また運賃に関しては、特急自由席でも現状の高速バスよりも優位であるため、競争力は非常に高いと言える。

大阪梅田方面に関しては、所要時間において淡海路快速では高速バスの半分とは言えずとも大幅に時間短縮が図れる。また普通列車でも約80分程度で往来が可能であるため、洲本駅以北の淡路市区間でも大幅な時間短縮が達成される。

そして運賃に関しては、乗車券自体は高速バスより大幅に割安になる。ここで提示した高速バス運賃は、学割料金で最安になったものを示しているため、通常はもう少し高くなり、その差はより大きくなる。特急に関しては高速バスより割高になってしまうが、所要時間が半分以下になり、かつ定時性も担保される。また高速バスは通常料金だと3,000円となり、特急自由席料金より割高になり、特急の競争力がより高まる。

京都駅方面に関しては、所要時間において淡海路快速だと流石に高速バスより時間がかかってしまう。但し高速バスだと定時性が担保されず、特にレジャー期間などは所要時間が逆転することも大いに有り得る。一方、特急だと高速バスより所要時間は短い。

だが運賃も含めて考えると、特急自由席料金でも高速バスの2倍弱の運賃であり、15分程度の所要時間の差で2,000円弱の料金差だと、その競争力は限定的だと言わざるを得ない。また淡海路快速でも、高速バスの学割等の最安値より割高になってしまうため、ここでも競争力は欠けると言える。

ただここで、需要の大きさを考えたい。これは既存の高速バスの本数で比較したい。

神戸・三ノ宮〜洲本の本数は土休日だと100本弱、平日だと100本を超える本数が設定されている。しかし大阪梅田〜洲本の本数は1桁本数と、大幅に少なくなり、京都〜洲本の本数になると、2本と更に少なくなる。

勿論、京阪神間が新快速で結ばれていることから梅田や京都駅から高速バスに乗るよりも、三ノ宮から乗るほうが洲本ICや洲本バスセンターだけでなく、ニンゲンノモリなど様々な場所に直接向かえることから、単純に本数の差が需要の差とイコールになるとは言えない。

これらを踏まえると、洲本と京阪神間の往来だと鉄道が一定の競争力を持つと考えられる。

というのも確かに淡路島線の持つ、三ノ宮発着便に対する競争力が強大であることは間違いなく、少なくとも三ノ宮 – 洲本市中心部間の交通分担は鉄道と自家用車に二分されると考えられる。

しかし同地点の発着便は途中、北淡ICや淡路市遠田などの淡路島線が直接経由しない場所にも停車する。このように淡路島線沿線外の停留所も複数あるため、本数の大幅減は見込まれても完全廃止とは考えにくい。更に前述のように、三ノ宮発着便の中にはニンゲンノモリや高田屋嘉兵衛公園などの洲本以外の発着便も複数設定されているため、三ノ宮発着便が完全に廃止されることは可能性が低いと考えられる。

だが京都、大阪発着便に関して、これらは洲本バスセンター発着のものも多いが、徳島方面に向かう際の途中経由地として淡路島内の停留所が設定されているものが多い。

前述のようにバスの本数がそのまま需要の大きさと同一視して良いものでもないが、そもそも淡路島と京阪圏の需要は必ずしも多いとは言えず、かつその少ない需要の中で本数が限られる高速バスと、本数が多いが少し割高な特急、本数は更に多いが時間が少しかかる淡海路快速で取り合う場合、高速バスが優勢とは必ずしも言えないのではないか。

このことから対淡路島の旅客輸送においては、淡路島線の優勢だと考える。

徳島方面

次に淡路島方面同様に、京阪神圏 – 徳島駅間の所要時間と運賃を比較していく。

先述のように各数値については、参考程度にご理解いただきたい。

定義についても前述を参照されたい。

高速バス淡路島線
特急
最速所要時間最安料金最速所要時間自由席料金
(指定席料金)
三宮83分程度〜¥2,500~約76分〜¥4,200
(¥4,730)
大阪148分程度〜¥2,700~約91分〜¥4,530
(¥5,060)
京都181分程度〜¥3,320~約120分〜¥5,640
(¥6,170)

以上の表をまとめると、以下のことが見えてくる。

まず全区間において所要時間は特急、運賃は高速バスが優勢だと言える。

そしてこのようにそれぞれの長所を活かしうる状況であれば、鉄道と高速バスの共存が可能だと言える。この最たる例が、小倉駅(福岡県北九州市) – 博多駅・天神中洲地域(同県福岡市)が挙げられる。

この事例を踏まえて結論としては、需要用途の差と途中需要より、共存していると言える。

この詳細については、以下の展開メニューを参照されたい。

結論をもう少し噛み砕いてみると、価格差と時間差があること、そして経由地が異なること。この2条件が揃うことで共存が達成し得ると言える。

では最初に同区間の鉄道と高速バスの現状を整理する。

尚、以下の表はすべて小倉駅、博多駅発着便のみを表記している。

新幹線在来線高速バス
普通・快速特急
本数
(片道)
88本/日75本/日39本/日90本/日
通常料金¥3,260¥1,510¥2,640¥1,350
割引料金¥3,190
(EX予約)
¥1,550
(九州ネットきっぷ)
所要時間(目安)約15分約80分程度約40分程度約90分程度

以上のことをまとめると、料金は高速バスが圧倒的に安い一方、所要時間では新幹線が圧倒的に速い。また在来線特急も割引制度を利用することで高速バスと遜色ない料金で高速バスの半分の所要時間で利用できると、バランスの取れた立ち位置となっている。

また新幹線が大阪・東京方面から直通してくる列車が多いため一度除外すると、高速バスの本数が圧倒的に多く、かつ料金も安いため圧倒的な利便性で在来線特急などの他の交通機関を置き去りにするほど需要が高いようにも思える。

しかしJRの同区間の輸送密度(平均輸送人員数)は2024年度で70,000人を優に超えており13、この数値が小倉駅 – 博多駅を直通する需要だけではないにしろ、JR宝塚線の尼崎駅 – 新三田駅や山陽新幹線全線と同等の数字になっている14

では同区間は如何にして、鉄道と高速バスが共存できているのか。

このことに関して信頼性のおける論文や考察が見つけられず、あくまで当ブログの予測にはなるが、2つの観点における需要の違いがあるためだと考えられる。

まず1点目に、何を重要視する需要なのか、ということだ。

これは前述した鉄道と高速バスの長所に関係するが、速達性、もしくは定時性を優先する需要は鉄道、一方コストを優先する需要は高速バスを利用する。

料金差が割引制度を利用した場合だと小さくなるものの、学生など時間よりお金を優先したい需要層は確かに存在しており、この意味で高速バスの存在意義は大きい。

一方ビジネス需要など、何よりも時間通りの運行に重きを置く層も多く、そういった意味で多少値段がかかっても鉄道の存在意義も当然視される。

そして2点目に、途中箇所での需要だ。

以下の画像を御覧いただきたい。

上記の画像は地理院地図に特急(=在来線)を赤線、高速バスとして緑線、新幹線を青線として大まかなルートを加筆したものになる15。尚、途中の点は主要な経由地を当ブログが選出し加筆。

前述の画像を見ればわかるように、新幹線は途中経由地がないが、特急は海側を経由するのに対し、高速バスは内陸側を経由している。また高速バスはJRが直接乗り入れられない天神や中洲地域を経由している16

つまり黒崎香椎などを利用する人は、必然的に特急を利用することになる一方、直方のうがた若宮などを利用する人は高速バスが必然的な選択肢になる。また福岡市内の目的においても変わりうる。

以上、2点のことから鉄道と高速バスが共存するために必要な状況としては、

・鉄道と高速バスで、料金差があり、所要時間にも差がある。そして優位点がそれぞれ異なる

・経由地が異なる

では以上の結論から、淡路島線は既存の高速バスと共存できるだろうか。

先に2つ目の条件が明らかであるため、こちらから取り上げる。

以上の画像は、地理院地図に淡路島線赤線高速バス緑線として加筆したものになる1718

このように見る限り、淡路島線内では途中経由地の需要の棲み分けができているように見える。高速バスのみが需要を拾う地域として、北淡地域(北淡IC周辺)西淡地域(西淡三原IC周辺)等が挙げられる。一方で淡路島線のみが需要を拾う地域として、三原地域津名地域が挙げられる。

そして1つ目の条件に関しては、単純に小倉 – 博多間と比較した場合、現状だと厳しいと言わざるを得ない。

淡路島線の場合、特急の所要時間が高速バスの半分とは言えず、一方で料金は1.5~2倍弱の割高となっている。

一方九州だと特急の所要時間は高速バスの半分以下、かつ料金も通常料金だと2倍近くあるものの、割引料金だとその差はほぼないと言えるレベルまで小さくなる。

であれば淡路島線でも小倉 – 博多間と同様に鉄道と高速バスが両立するために求められることとして、鉄道の時間短縮割引制度の新設のいずれかが挙げられる。

時間短縮に関しては、明石海峡トンネル区間やそもそも淡路島線全線において線形が緩いことから最高速度向上による達成も考えられうるが、過去の事故や遅延解消バッファの解消が必要になり、海底トンネルと海峡橋両方を越える路線が先例がないため、開業時は時間的余裕を多めに設定し、運用上問題ないと判断されれば検討されるのが妥当だと考える。

では割引制度はどうか。

現状JR西日本が実施している在来線特急の割引制度は、事前予約による割引制度がメインとなっている。このためレジャー利用などであれば問題ないが、通勤・通学需要など日常利用においては、その利便性の低さからなかなか受け入れられ難いと考える。

一方、JR九州の割引制度は当日利用も可能であり、かつ割引率も大きい。

このためJR西日本が新たな割引制度を新設すれば、高速バスに対しより競争力を得られるであろうが、確証は持てないため一旦保留とする。

ここで九州と淡路島線で大きく異なる点が1点考えられる。それは高速バスの定時性が特に低いということが挙げられる。

三宮方面でも京阪圏方面でも、#1でも取り上げたように阪神高速3号線神戸線や中国道などの渋滞が発生しやすい箇所を経由することになり、更に連休期間では明石海峡大橋区間でも渋滞が発生しうる。

このため私個人の感覚にはなるが、当区間を利用する場合では10分は遅れるのが当然、最悪30分以上の遅れはやむを得ないと考えている。勿論、高速バス事業者も渋滞などを前提に早着が見込まれる時刻設定をしているであろうが。

以上のことを踏まえれば何らかの割引制度、少なくともJR西日本の他の既存特急で行われている「早特7」のような事前予約割引制度に加え、JR九州の「九州ネットきっぷ」のような当日予約可能の割引制度も新設できれば、十分高速バスとの共存が実現することに確証が持てる。

割引制度がなくとも料金と所要時間の差から沿線民にとって十分魅力的に見えうるかもしれないが、使いやすい割引制度が設定されることで「やすくなるんやったら・・・!」とポジティブに捉えてもらえると考えるが、どうだろうか。

今回は、淡路島線の所要時間と運賃、高速バスとの比較における利便性について取り上げてきた。

高速バスと比較した場合、淡路島線を使うことで洲本へは15〜30分程度、徳島へは1時間程度の時間短縮が達成され、かつ予定通りの行動が容易になる。

一方、料金面でも高速バスと比較した場合、洲本へはほぼ同額で大幅な時間短縮が図れるが、徳島方面では料金面のみでは強大な競争力を持つとは言えないが、共存は十分達成しうる。

このことから少なくとも京阪神圏 – 淡路島の往来は淡路島線が優勢である一方、京阪神圏 – 徳島は需要の違いから高速バスと鉄道の棲み分けがなされる

また島内移動に関しては、バス中心の移動が鉄道中心になりうる。これは淡路島線は各主要集落を経由することから、住宅地から徒歩でアクセスできる交通機関が実現でき、通勤・通学需要の利便性は大幅に向上すると考えられる。

因みに既存の鉄道のシェアはその不便性が故に著しく低いと考えられるため、今回は取り上げなかったが、既存の鉄道を利用する層はそのまま淡路島線に流れると考えられる。

では次回は、#2にて後述するとしていた沿線の宅地開発について取り上げていく。

今回の記事内容に対して、ご意見、ご質問等あれば忌憚なくコメントをいただけると幸いです。

また次回もお待ちしております。お疲れ様でした。

  1. ここでの「関西圏外」とは、首都圏や中京圏などの東海道新幹線沿線、また以北の東北や北陸圏などを指す。 ↩︎
  2. 西日本旅客鉄道(2024)「京の東の玄関口 山科駅改良について ~特急「はるか」の山科駅延伸により京都市内アクセスがより便利に~」< https://www.westjr.co.jp/press/article/2024/11/page_26688.html >(2026/1/22参照) ↩︎
  3. このように考えられる理由として、大阪駅 – 鳥取駅間の停車駅数の差が挙げられる。
    両列車ともに経路は異なるものの大阪駅 – 鳥取駅を直通する列車が設定されているが、最大途中停車駅数は「はまかぜ」だと17駅である一方、「スーパーはくと」は12駅となっている。
    尚、経路が被る大阪駅 – 姫路駅間では、停車駅数に差はない。 ↩︎
  4. 神戸駅には夜の下り2本が停車すると前述したが、これはおそらく通勤の帰宅需要に応えるためだと考えられるため、この列車は「うずしお」を設定する際に無視した。 ↩︎
  5. 勝瑞駅の利点である乗降人員が多いという点であるが、これは特急が得意とする長距離利用よりは地元利用が多いと考えられる。
    当駅周辺には県立徳島北高校があることや、大規模な駐輪場が整備されるほど住宅街が広がっている。そして停車時間帯が朝夕に多いことからも、当駅は徳島市の郊外住宅街として、通勤・通学需要が多いがゆえに県下2位の乗降人員数を誇ると考えられる。
    したがって扱いとしては、高槻駅と同じだとして優先度は下がった。 ↩︎
  6. 「おのころ」という名前は、淡路島内にある自凝島おのころじま神社、及び淡路島や周辺の沼島や絵島など、周辺地域に古くから伝わる伝承に由来する。 ↩︎
  7. 近江舞子駅 – 鳴門駅で194.9km。近江今津駅 – 鳴門駅で215.9km。
    因みに在来線最長運転列車は、新快速で敦賀駅 – 播州赤穂駅の275.5km。 ↩︎
  8. 西日本旅客鉄道「JRおでかけネット 路線図」< https://www.jr-odekake.net/railroad/route/ >(2025/1/14参照) ↩︎
  9. 似た分類でWikipediaの「アーバンネットワーク」の記事 < https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF >(2026/1/23参照) 内では、「本線系統」と「南アーバン」に二分されると書いてあるが、信憑性のあるエビデンスが見つけられなかったため、本稿では当ブログ独自の理由を以て再定義することとした。 ↩︎
  10. 古事記などでこのような表記があったとされる(参照:レファレンス協同データベース(2011)「近江という旧国名の由来を知りたい。」< https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000092350 >(2025/1/14参照))。 ↩︎
  11. このような呼ばれ方をする快速は、「大和路快速」(大和路線)や「紀州路快速」(阪和線)、「みやこ路快速」(奈良線)、そして「丹波路快速」(JR宝塚線)が挙げられる。 ↩︎
  12. バス比較なび < https://www.bushikaku.net/ >(2026/1/16参照) ↩︎
  13. 九州旅客鉄道(2025)「2024年度 平均通過人員・旅客運輸収入」< https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/pdf/2024senku_250912.pdf >(2026/1/20参照) ↩︎
  14. 西日本旅客鉄道(2025)「2024年度区間別平均通過人員(輸送密度)について」< https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250806_00_press_yusoumitsudo_1.pdf >(2026/1/20参照) ↩︎
  15. 国土地理院ウェブサイト < https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1 >(2026/1/20参照)より、当ブログが一部加筆加工。 ↩︎
  16. ここでのJR線とは、小倉駅 – 博多駅の所属する鹿児島本線を指す。 ↩︎
  17. 国土地理院ウェブサイト < https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1 >(2026/1/20参照)より、当ブログが一部加筆加工。 ↩︎
  18. 高速バスに関しては、大阪発着便を基本として三宮 – 洲本BC間のルートの一部も加筆。 ↩︎

Comments

タイトルとURLをコピーしました